キエルキンの空間噴霧は安全なのか?危険と誤解される3つのパターンについて

キエルキン空間噴霧危険

経済産業省所轄NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)から次亜塩素酸水の新型コロナウイルスに対する有効性について発表されました。キエルキンの空間噴霧に関する見解や厚生労働省の通達の変更については下記の記事を参考にしてください。

キエルキン安全性試験 キエルキン(次亜塩素酸水)の空間噴霧についての見解と厚生労働省の変更

文部科学省もその発表を受けて「次亜塩素酸水の噴霧は、各メーカーが出す安全性試験結果、有効性のエビデンスを良く確認し、また専門家の意見を得つつ使用を判断するように」と修正しました。

またその他の省庁は、「次亜塩素酸水」の空間噴霧で、付着ウイルスや空気中の浮遊ウイルスを除去できるかは、メーカー等が工夫を凝らして試験をしていますが、国際的に評価方法は確立されていません。安全面については、メーカーにおいて一定の動物実験などが行われているようです。ただ、消毒効果を有する濃度の次亜塩素酸水を吸いこむことは、推奨できません。空間噴霧は無人の時間帯に行うなど、人が吸入しないような注意が必要です。と見解を示しています。

参考:新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ)

今回の報道の中で、次亜塩素酸水の空間噴霧は危険ではないかという意見がありましたが、その危険と誤解する3つのパターンについて解説したいと思います。

次亜塩素酸水を次亜塩素酸ナトリウムとの誤解

 次亜塩素酸ナトリウムは、漂白剤の成分として知られている物質です。次亜塩素酸ナトリウムが危ないのはアルカリ性であることです。人間の皮膚はたんぱく質でできているので、不可逆的な変性を起こすアルカリ性物質は絶対に噴霧すべきではありません

次亜塩素酸水と名前が似ているので勘違いしてしまい、事故のつながるケースがあります。実際に、塩素系漂白剤を希釈し、空間噴霧することで目やのどが痛くなるといった事例がありました。次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムは、全くの異なる物質なので注意が必要です。

次亜塩素酸水を噴霧すると塩素ガス発生すると誤解する

次亜塩素酸水を噴霧すると塩素ガスが発生し、危険であるのではないかと言われています。結論から申し上げると、キエルキンは塩素ガスが発生しません。 キエルキンは、弱酸性領域(pH6.8)のため次亜塩素酸が塩素発生しないと考えて結構です。

※ただし、pHが酸性に傾く(pH3前後)と次亜塩素酸でなく一部が塩素ガスに変化する場合がございます。グラフを参照

pH7が中性で、7より低いと酸性となり、7より高いとアルカリ性となります。

次亜塩素酸水の塩素ガス比率

さらに詳しく知りたい方はキエルキンメーカーにお問合せください。

次亜塩素酸がそもそも危険なのではないかと誤解する

世の中で医薬品や消毒薬として使われているものも用法・容量を間違えれば毒になりえます。それ以外にもお水も飲みすぎると毒になりえるし、食塩も同様です。

パラケルスス※ (1493~1541)氏は、「全てのものは毒であり、毒でないものなど存在しない。その服用量こそが毒であるか、そうでないかを決めるのだ」と述べています。

※初めて医療に化学を用いた人物です。

物質が適切に使われる場合には、すべて危険と一概にまとめるのは違います。その物質を理解して有効利用することが大切です。

「次亜塩素酸」は、菌やウイルスに作用した後、塩化物イオンとお水に戻るため水道水レベルに分解されます。例えば、次亜塩素酸ナトリウムと同じような濃度5%(50000ppm)の次亜塩素酸が使用する場合には安全に使用できない可能性がございます。(かなりの高濃度の次亜塩素酸は急激に濃度の低下があるためお目にかからないですが…)

医薬品の認可を受けた商品と次亜塩素酸水の安全性を比較すると分かりやすいかと存じます。 

医薬部外品の安全性試験について

医薬部外品の安全性試験6項目(フマキラーファン式殺虫剤の例)

  1. 単回投与毒性(経口)
  2. 反復投与毒性(吸入)
  3. 局所刺激性試験(眼一次性)
  4. 抗原性試験(アレルギー)
  5. 使用時気中濃度
  6. 使用後気中濃度

「以上のような審査の結果、総合機構は提出された申請内容について、本品目を医薬部外品の殺虫剤として承認して差し支えないと判断し、一般医薬品部会において審議されることが妥当であると判断した」と独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)は公表しています。

PMDAとは:医薬品の副作用や生物由来製品を介した感染等による健康被害に対して、迅速な救済を図り(健康被害救済)、医薬品や医療機器などの品質、有効性および安全性について、治験前から承認までを一貫した体制で指導・審査し(承認審査)、市販後における安全性に関する情報の収集、分析、提供を行う(安全対策)ことを通じて、国民保健の向上に貢献することを目的としています。

これらのことから以下のことが分かります。

まとめ

・上記の医薬部外品の試験をパスするくらいのデータ(エビデンス)を次亜塩素酸でも取得されているという事実

・キエルキンは、虫も殺さないのでさらに安全であること

その他、蚊取り線香も参考になるかと存じます。

次亜塩素酸水に関しては、経済産業省が公表しているファクトシート通り、使用方法、有効成分、濃度(ppm)、使用期限、安全性、有効性のエビデンスそしてさらには病院との共同研究の有無等の情報を公表しているかよく確認して商品を選択することが賢明かと考えます。

以上、キエルキンの空間噴霧は安全なのか?危険と誤解される3つのパターンについてご紹介しました!