CMでお馴染みご家庭でたくさん使われている消臭剤。トイレや車、玄関など消臭したい箇所には必要不可欠ですよね。以前より消臭剤でなく、除菌消臭剤(除菌+)として販売されています。
そんな消臭剤に除菌成分として含まれている物質が、第四級アンモニウム塩(第4級アンモニウム化合物 (QUATS))の一種である「塩化ベンザルコニウム」(類似物質として塩化ベンゼトニウムもあります。)です。
※通常の除菌消臭剤と謳っていない消臭剤にも含まれています。
聞きなれない物質ですが、医療の現場や除菌剤として使用されている物質です。キエルキンも除菌や消臭の用途で使用することができます。
そこで、CMでお馴染みの除菌・消臭剤で使用されている「塩化ベンザルコニウム」とキエルキンの成分である「次亜塩素酸水」について比較してお伝えしていきます。
こちらの記事では、塩化ベンザルコニウムとキエルキン(次亜塩素酸水)の菌やウイルスに対する効果や安全性の違いについてお伝えします。
キエルキンと塩化ベンザルコニウムの比較
キエルキン(次亜塩素酸水)と塩化ベンザルコニウムについて項目を下記の表に比較しました。
キエルキン 塩化ベンザルコニウム 比較 | ||
名前 | キエルキン(次亜塩素酸水) | 塩化ベンザルコニウム |
ウイルスへの効果 | ◎ | △ |
細菌への効果 | ◎ | 〇 |
消臭力 | ◎ | × |
安全性 | お水に戻り安全性高い | 残留性もあり取り扱い注意 |
消費期限 | 有り(約3ヵ月) | 無し |
微生物汚染※1 | 発生リスクが低い | 発生リスク有り |
耐性菌の発生※2 | 発生しない | 発生する可能性有り |
※1 微生物汚染:ある対象物に微生物が混入して、生存もしくは増殖することです。特に医療現場で問題になります。
※2耐性菌:薬への耐性を持った細菌のことを薬剤耐性菌といいます。薬剤耐性は、耐性を持たない別の細菌に伝達され、その細菌も薬剤耐性化になり、次々に連鎖していくことがあります。
次亜塩素酸水は結論として、ほとんどの一般細菌、ウイルスに関して効果を発揮します。
塩化ベンザルコニウムは、ほとんどの一般細菌に対して効果的に使用できます。ただし、芽胞菌(破傷風菌やクロストリジオイデス・ディフィシル※)や結核菌への効果はありません。
クロストリジオイデス・ディフィシルは、院内感染の原因になる菌の一つです。
インフルエンザウイルスやコロナウイルスなど中型サイズのウイルス(エンベロープウイルス)に対して十分な効果を得られない時があります。
また、ノロウイルスやロタウイルスなどの小型ウイルス(ノンエンベロープウイルス)に対しては効果はありません。芽胞菌に関しては下記の記事を参考にしてみてくだい!
細菌類最強の菌(芽胞菌)に対する次亜塩素酸水の効果についてキエルキンは、消費期限が決められており、最終的にお水に戻るため残留性がありません。つまり、作用後は水道水レベルの安全性で使用することができます。
例えば、『ご家庭で小さなお子さんが近くに置いてあったスプレーを間違って飲んでしまった…』としてもお水に戻るだけなので身体に影響はありません。
一方、塩化ベンザルコニウムは、消費期限があるわけではないので、半永久的に使用することができるので、災害時の備蓄としても適しています。
安全性はと言うと、半永久的に効果があるということは残留性があるということです。用法容量を間違えず正しく使うようにしましょう!
子どもの身の回りには安全・安心なものを、すぐ使えるようにしたいですね!
キエルキンとは
キエルキンは、次亜塩素酸と純水のみで生成した200ppmのpH6.8の弱酸性次亜塩素酸水です。
医師会病院であるおんが病院と共同研究の末に誕生しました。キエルキンについての概要は下記からどうぞ!
キエルキンとは一般社団法人日本食品分析センターや株式会社ボゾリサーチセンターなどの複数の第三者機関による菌・ウイルスに対する有効性や安全性のエビデンスを取得しております。
下記にキエルキンのエビデンスをまとめております!
エビデンス一覧厚生労働省が公表している資料の中で次亜塩素酸水、塩化ベンザルコニウム、次亜塩素酸ナトリウムの除菌効果試験が行われています。
結果、どの溶液もほとんどの細菌に対して殺菌効果が見られましたが、枯草菌(芽胞菌)を殺菌できたのは次亜塩素酸水のみでした。
使用した濃度と条件は下記です。
1)次亜塩素酸水:有効塩素濃度 57ppm、pH5.2(23℃)(※キエルキンは200ppm、pH6.8)
2)塩化ベンザルコニウム液:500ppm
3)次亜塩素酸ナトリウム液:200ppm
また、塩化ベンザルコニウムは、カンジダと黒コウジカビ(どちらも真菌)に対し、1分では殺菌することができませんでしたが、次亜塩素酸水であれば1分以内で殺菌できることが分かりました。
下記に次亜塩素酸ナトリウムとキエルキンの比較した記事があるので気になる方はチェックしてみてくだい!
塩化ベンザルコニウムとは
塩化ベンザルコニウムは、殺菌・消毒の目的として使われており(人体に対し、経口投与しない、浣腸には使用しない)、いわゆる逆性石鹸と言われる物質です。
補足:一般的に消毒薬の強さを示すもので高水準、中水準、低水準に分けられ塩化ベンザルコニウムは低水準に位置します。
逆性石鹸と石鹸と付いていますが、通常の汚れを落とす石鹸とは異なり、洗浄力はなく除菌(殺菌)目的に使われます。
石鹸は水に溶けるとマイナスの電気を帯びて陰イオンとなり、界面活性作用(汚れを浮かす)が出ます。
一方で、逆性石鹸は水中ではプラスの電気を帯びて陽イオンになります。(引っ付く)石鹸とは逆の性質のため「逆性石鹸」と呼ばれるのです。
逆性石鹸と通常の石鹸を混ぜて使用してしまうと、お互いの性質を打ち消してしまうため洗浄力も、殺菌力も効果がなくなってしまいます。
そのため、塩化ベンザルコニウムを除菌の用途で使う場合は、まず石鹸で汚れを落とした後で、使用するといいでしょう。
塩化ベンザルコニウムの除菌メカニズムは、タンパク質やセルロースを変質(形を無理やり変えて)させて細胞の構造を壊し、殺菌することができます。
細菌は、マイナスに電気を帯びるタンパク質やセルロースが構造となっておりますが、塩化ベンザルコニウムの特性である逆性石鹸はプラスの電気を帯びています。
全ての細菌ではありません。
細菌に逆性石鹸を近づけると、電気の性質上プラスとマイナスが引き寄せ合うため、逆性石鹸のプラスの物質(陽イオン)が細菌やカビの細胞表面に強くくっつきます。
くっつくことで細胞の構造を変形させて壊してしまうのです。
塩化ベンザルコニウムは、魚、鳥類、無水脊椎動物に対して毒性を示します。また、人への推定致死量は50~500mg/kgとされております。
例として、10%の濃度の塩化ベンザルコニウムが含まれる場合、大人であれば推定致死量は25~250mLの量です。
特に、ご家庭で塩化ベンザルコニウムが含まれている除菌・消臭スプレーを使う時には注意が必要です。揮発した塩化ベンザルコニウム成分が呼吸によって肺に入ることで、直接血液へ入り込み体に悪影響がでると言われています。
過去マウスを使った動物実験では、塩化ベンザルコニウム(第四級アンモニウム塩)により萎縮性肝機能障害、死亡率の増加、免疫系への影響、先天性異常の発生があると言われています。
特に小さなお子様の近くでは使用しないようにしましょう。誤飲などの事故も発生しています。
また、発疹やかゆみなどのアレルギー反応についても人によっては引き起こされる可能性があります。詳しくは下記を参考にしてください。
まとめ
最後に塩化ベンザルコニウムとキエルキンについてまとめます。
・菌やウイルスに対する効果はキエルキンの方が高い
・安全性を比較してもキエルキンの方が高い
・消費期限を気にせず使いたい方は塩化ベンザルコニウムがおススメ
塩化ベンザルコニウムは除菌成分として消臭剤に含まれている場合もありキエルキンと同様に除菌・消臭剤として機能しているしている部分があります。お互いのいいところを生かしてご活用いただければと思います!
以上、キエルキンが優勢!塩化ベンザルコニウムと比較して分かる安全性や効果の違いについてご紹介しました!
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