お子さまがいらっしゃるご家庭では、季節の変わり目や冬場になると、インフルエンザやノロウイルスといった感染症のニュースが気になりますよね。お子さまが体調を崩されると、看病のために会社を休まざるを得なくなったり、ご自身の体調も心配になったり、何かと大変なことが多いのではないでしょうか。
実は、このような感染症による欠勤は、ご家庭だけでなく会社にとっても大きな負担となっていることをご存知でしょうか。今回は、インフルエンザやノロウイルスといった感染症がもたらす経済損失に焦点を当て、ご家庭や職場での感染症対策がいかに大切かについてお話ししたいと思います。
会社を休むことの隠れたコスト:イギリスの調査から見えてくる現実
お子さんの急な発熱で会社を休まざるを得なかったり、ご自身の体調不良で出勤できなかったり。子育て中は、そういった状況が起こりやすいものですよね。
もちろん、体調が悪い時は無理せず休むことが大切ですが、実は、従業員が病欠することによる経済的な影響は、私たちが想像よりもはるかに大きいことをご存知でしょうか。
かつて、2008年にコンサルティング企業マーサーUKがイギリス国内の民間企業15社、約11,000人の労働者を対象に行った調査があります。この調査では、いつ、どのような理由で、どれくらいの期間休んだのかまでを徹底的に分析しました。
その結果、病欠が会社にとって非常に大きな財政的負担となっていることが明らかになりました。
当時のマーサーUKのクライアントマネージャーによると、例えば、平均給与が25,000ポンド(約350万円)の従業員を1,000人抱える企業の場合、病欠による年間の損失はなんと732,000ポンド(約1億248万円)にも及ぶとされていました。そして、全体の欠勤率をわずか0.5%減らすだけでも、年間100,000ポンド(約1,400万円)もの節減が期待できるとも報告されています。
参考:BBC NEWS 「Monday most common for sickness
この2008年の調査も驚くべき内容でしたが、最新のデータを見ると、病欠による経済的な影響はさらに拡大していることがわかります。
イギリスの国民統計局(Office for National Statistics: ONS)の最新データによると、2024年には病気や怪我による労働日数の損失が、推定1億4890万日にものぼります。これは、全従業員が平均して年間4.4日仕事を休んだことに相当します。2008年当時よりも、一人当たりの欠勤日数がわずかに増え、総労働日数で見てもその影響の大きさがうかがえます。
そして、病欠がイギリス経済全体に与えるコストは、2008年当時と比較にならないほど膨らんでいます。
あるレポートでは、2024年においてイギリスの企業は、病欠によって年間1,000億ポンド(約19兆円)以上もの損失を被っていると推定されています。
また、別の調査では、2023年時点で従業員の病欠による隠れたコストが1,030億ポンド(約19.5兆円)に達し、2018年から300億ポンドも増加していると報告されています。
参照:Edays 「The State of Absence Report 2024」
Verve Healthcare 「The Real Cost of Absenteeism to UK Employers in 2025: A Complete Analysis」
これらの損失には、生産性の低下はもちろん、代替人員の確保、採用コストの増加などが含まれます。個人の体調管理が、実は会社全体の経営にまで影響を及ぼすという、見過ごされがちな事実を私たちに教えてくれます。
日本においても、生産年齢人口の減少は深刻な問題であり、企業の人手不足が顕著になっています。特に中小企業では、人手不足が喫緊の課題となっています。
日本商工会議所と東京商工会議所が2024年1月に発表した「中小企業の人手不足、賃金・最低賃金に関する調査」によると、中小企業の65.6%が「人手が不足している」と回答しており、約3社に2社が厳しい状況に直面していることがわかります。
これは、2017年の調査結果(6割)と比較しても、人手不足の状況が続いていることを示しています。
参照:東京商工会議所 「「中小企業の人手不足、賃金・最低賃金に関する調査」の集計結果について~中小企業の65.6%が人手不足と回答、賃上げ実施予定の企業は6割を超える~」
このような状況下で、東京大学政策ビジョン研究センター データヘルス研究ユニットと横浜市経済局が共同で行った「健康経営の効果測定 第1回調査結果のご報告《横浜市内中小企業等》」によると、病欠による労働生産性の損失が明らかになりました。
この調査は横浜市内の6事業所、従業員計157人を対象に行われたものです。

その結果、従業員1人あたりの労働生産性損失額は年間約76.6万円にものぼることが推計されています。
この損失には、実際に会社を休む「アブセンティーイズム」(病気などによる欠勤や休職)だけでなく、体調が悪いまま出勤することで生産性が落ちる「プレゼンティーイズム」(出勤はしていても、体調不良によって生産性が低くなる状態)も含まれています。
具体的には、プレゼンティーイズムによる損失が年間73.0万円、アブセンティーイズムによる損失が年間3.6万円とされています。
参照:川崎市 「1 障害者雇用に役立つケーステップ(K−STEP)2.ラインケア」
以前は、病気になったら会社を休むことは会社にとってマイナスだと考えられがちでした。
しかし、コロナウイルスの蔓延をきっかけに、感染が広がることを防ぐためにも、体調が悪い場合は休むべきだという意識が広まってきています。体調不良の従業員が休むことで、さらなる感染拡大を防ぎ、結果的に大きな損失を回避できるという考え方が浸透しつつあります。
これらの調査からも、仕事の生産性を最大限に高めるためには、感染症対策を含めた健康への取り組みが非常に重要であることがわかりますね。
ノロウイルスによる計り知れない経済的損失
国立感染症研究所のデータによると、感染性胃腸炎の報告数は年によって変動しますが、継続的に多数の発生が見られます。特に、新型コロナウイルス感染症パンデミック以降、一時的に減少した時期もありましたが、近年は再び増加傾向にある週も報告されています。
最新の感染状況については、国立感染症研究所の感染症発生動向調査週報(IDWR)で毎週確認することができます。
ノロウイルスは感染性胃腸炎の主要な原因の一つであり、その経済的影響は計り知れません。世界規模でその経済的影響を明らかにするため、「ノロウイルス胃腸炎の世界的経済的負担」という画期的な論文が発表されました。
これは、ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院の研究チームが、国連の人口統計データなどに基づき、計算シミュレーションモデルを開発して分析したものです。
このモデルでは、ノロウイルスおよびノロウイルス関連の死亡数を含め、0~4歳(乳幼児)、5~14歳(若年層の子ども)、15~54歳(成人)、55歳以上(高齢者)の4つの年齢層に分けて分析が行われています。
費用には、外来患者の診察費や入院費などの直接的な医療費だけでなく、職場や学校の欠勤・欠席による費用、そして死亡による生産性の損失といった社会的費用も多角的に算出されています。特に、死亡した場合は、死亡年齢と平均余命に基づいた生涯収入の現在価値まで計算に含まれている点が特徴です。
その結果、世界的に、ノロウイルスは年間約7億人が罹患し、約22万人の死亡を引き起こしていると推定されました。
そして、感染者および感染により死亡した場合に発生する直接的な医療費と生産性の損失の合計は、なんと年間562億ドル(日本円で約5兆4000億円)にも及ぶことが明らかになったのです。この巨額な損失の半分は、感染による死亡が原因とされています。
参照:PLOS ONE 「The Global Economic Burden of Norovirus Gastroenteritis」
これまで、ノロウイルスは病原体の特定が難しいこともあり、インフルエンザなどに比べて注目度が低かったかもしれません。
しかし、この画期的なモデルによって、ノロウイルスの経済的負担がいかに大きいかが明確に示されました。このデータは、ノロウイルスのワクチン開発や、より効率的な感染症予防・対策にどのようなリソースを費やすべきかを考える上で、非常に重要な指針となるでしょう。
感染症予防がもたらす効果
多くの幼稚園や保育園で感染症対策が行われています。その効果を具体的に示す好例として、遠賀中間医師会おんが病院とキエルキンのメーカーであるラジカルラボの共同研究による「S市某保育園における感染状況のデータ」をご紹介します。このデータは、感染症対策の重要性を明確に示しています。

特に注目すべきは、対策を「開始」し、さらに「強化」した2015年には、インフルエンザの発症者数が2014年の約20%程度に激減していることです。感染症全体の発症者数、そしてお子さまたちの出席停止人数や欠席総数も、2015年には明らかに低く抑えられています。

キエルキンがお役に立って嬉しいです!データで表すことができました。
これは、感染拡大が抑制され、子どもたちが元気に登園できる日が増えたことを示しています。
これらのデータは、適切な感染症対策を行うことで、インフルエンザが約80%減少し、その他の感染症も約34%減少という驚くべき結果に繋がったことを示唆しています。
未就学のお子さまからご家庭に感染が広がるケースは少なくありません。幼稚園や保育園での集団感染を防ぐことは、ご家庭内での感染リスクを減らすことにも繋がります。
人が集まる場所には菌やウイルスが存在するため、幼稚園・保育園だけでなく、職場でもウイルス対策を進めることが非常に効果的だと考えております。
アリゾナ大学の公衆衛生助教授であるケリー・レイノルズ氏の研究では、オフィス内で疑似ウイルスを付着させた一人の手から、たった4時間で職場の共有スペースの半分以上にウイルスが広がり、50%もの人々の手から検出されたという結果が出ています。また、くしゃみや咳よりも、手に付着した菌やウイルスを介する方が早く広がることも判明しました。
参照:Germs Spread Fast at Work, Study Finds
この研究からも、職場での手洗いの徹底や、共有部分の拭き掃除が感染リスクを大幅に低下させる可能性があることが明らかになっています。
オフィスでは、手軽に拭き掃除をしたり、空間に漂う菌やウイルスを除去する対策をとることで、感染する確率を下げることができます。

国立研究開発法人日本医療研究開発機構のプレスリリースによると、東北大学と京都大学の研究グループがフィリピンで行った共同研究では、特定の子どもがアデノウイルス、インフルエンザウイルス(A型)、パラインフルエンザウイルス(4型)、ライノウイルス(C種)に感染した後、次の呼吸器感染症にかかるリスクが1.3〜1.6倍上昇することが分かりました。
参照:国立研究開発法人日本医療研究開発機構「先行するウイルス感染とその後の呼吸器感染症の関係:フィリピンにおける前向きコホート研究」
この研究は、今までになかった視点から、感染症にかからないための予防がいかに大切であるかを示唆しています。
私たちは日常生活の中で様々な菌やウイルスに触れていますが、適切な対策を行うことで、病原体の侵入量を減らし、自身の免疫力で対処できる範囲に抑えることが可能です。
電車やバス、飛行機などの公共交通機関は、人が密集するため、感染症にかかるリスクが高まります。
2018年に発表されたアメリカのエモリー大学とジョージア工科大学の研究によると、呼吸器感染症患者の座席の前後1列および左右2座席以内に座っている乗客は、患者から感染する確率が80%に及ぶことが分かりました。
一方で、それ以上離れた座席の乗客が感染する確率は3%未満でした。
参照:NewsweekJapan 「風邪に「機内で感染」は心配無用?」
また、新型コロナウイルス感染症に関する2024年のメタ解析では、フライト時間が長くなるほど機内での感染リスクが増加し、特にマスクを着用しない場合に顕著に高まることが示されました。
一方で、マスクの徹底した使用は、長時間のフライトにおいても感染リスクを効果的に抑制することが示されています。
参照:CareNet.com 「飛行機でのコロナ感染リスク、マスクの効果が明らかに~メタ解析」
これらの研究からも、飛行機のような密閉された空間での対策の重要性がわかります。公共交通機関では、マスクを着用する、こまめに水分補給をする、ガムや飴で口の中の乾燥を防ぐなどの対策が有効です。
また、すぐに手を洗えない状況では、持ち運びできる除菌スプレーなどを活用することもおすすめです。

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まとめ
インフルエンザやノロウイルスなどの感染症は、ご家庭の健康だけでなく、社会や経済にも大きな影響を与えることがお分かりいただけたでしょうか。目に見えないウイルスや菌からご家族を守り、安心して日常生活を送るためには、日々の予防と対策がとても大切です。
大切なご家族や周りの方々を感染症から守り、より健康的で安心できる暮らしをサポートするために、感染症対策についてぜひ考えてみてくださいね。
以上、インフルエンザ・ノロウイルスなどがもたらす経済損失についてお話をしました。
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