今シーズンは、9月の初旬からインフルエンザによる学級閉鎖が起き例年よりも流行が早いです。
静岡県裾野市の小学校と御殿場市の保育園の計2施設で、インフルエンザとみられる集団感染で学級閉鎖が行われたと発表しました。ここ10年で最速の学級閉鎖と報じられました。
その原因として、南半球のオーストラリアやニュージーランドなどはインフルエンザの流行時期で旅行者(日本から行って帰ってくる人も南半球から日本に旅行にくる人も)が持ち込む可能性が挙げられます。
また、夏休みが明けてクラスの人集まると接触する人数が増えて感染が広がることが考えられます。
今年は、例年に比べて流行が早いので対策も早くからしておくことをオススメします。
そこで、今シーズンのインフルエンザワクチンについてご紹介したいと思います。
2019年〜2020年のインフルエンザワクチンの株決定!
2019/2020シーズンのインフルエンザワクチンは下記の4種類に決定しました。
1 A型Brisbane(ブリスベン)/02/2018(IVR-190)(H1N1)pdm09
2 A型Kansas(カンザス)/14/2017(X-327)(H3N2)
3 B型Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
4 B型Maryland(メリーランド)/15/2016(NYMC BX-69A)(ビクトリア系統)
参考:国立感染症研究所「2019/20シーズン インフルエンザワクチン株」
インフルエンザワクチン株を選定するに際して、世界保健機関(WHO)が推奨する株の中から、期待される有効性とワクチンの供給可能量を踏まえた上で、どちらも考慮した有益性(4種類の製造株に係る有益性の総和)が最大とることを原則としています。
去年とのインフルエンザワクチンの変更点と理由について
作シーズンの流行は、近年では最も大きな流行でそのピークが2019年1月14日〜20日の1週間でした。
流行したウイルスの亜型の比率は、A(H1N1)pdm09が68%、A(H3N2)が31%とA型が99%と流行の大部分を占めています。
一方で、B型(B型/山形系統と B型/ビクトリア系統)の流行はわずかでした。
日本以外にも多くの海外諸国でも同様にA(H1N1)pdm09が主流で、B型の流行は限定的なものでした。
昨シーズンの結果を踏まえて、国立感染症研究所では、WHOが総合的に評価して選定した推奨4株を今シーズンのワクチンとして決定しました。
インフルエンザウイルスA型【A型Singapore(シンガポール)/GP1908/2015(IVR-180)(H1N1)pdm09とA型Singapore(シンガポール)/INFIMH-16-0019/2016(IVR-186)(H3N2)】2株を変更しました。
インフルエンザワクチンはどのように製造されているのか
インフルエンザウイルスの培養は鶏の卵を使って増殖させています。
引用:厚生労働省「2019/20シーズン向けインフルエンザワクチンの製造株について」
①生後6〜12ヶ月の親鶏から産卵後10~12日間孵卵し、(卵をかえすこと)一定の品質を満たす卵をワクチン製造用に使います。
②鶏卵の尿膜腔内に、一定量のインフルエンザウイルス株を接種した後、2、3日間培養します。
③インフルエンザウイルスが増殖した尿膜腔液を採取し、濃縮精製します。
④精製したウイルスを不活化し、規定の濃度に調製します。
⑤4株分(A型2種類、B型2種類)を混合し、各バイアルに小分けします。
⑥国家検定に提出し、合格した製品を順次医療施設に発送していきます。
今シーズンは WHOからの推奨が1ヶ月ほど遅くなりましたが、10月の予防接種シーズンまでには間に合うとのことです。
ワクチンを接種することで必ずインフルエンザを予防することはできませんが、やらない人よりは効果を見込めます。インフル対策としてワクチンだけでなく、複数の対策を講じることに意味はあります。
以上、2019年〜2020年のインフルエンザワクチンが決定!昨シーズンとの違いは?についてご紹介しました!