歯周病菌は怖い!予防策となる次亜塩素酸水の効果に関する研究内容について

歯周病菌に次亜塩素酸水溶液は使えるの?

今、20歳以上の日本人の約80%の人が歯周病にかかっていると言われています。

実は、研究により様々な病気と関連性が分かってきております。そこで、今回は歯周病による悪影響とその予防についてご紹介したいと思います。

歯周病や虫歯はどのようにして引き起こされる?

歯周病は治療しない限りずっと蝕み続けます。食後歯を磨かない、または、適切に磨いていないと食べかすが残ります。

 

そこに糖質などがくっつくと、それを取り込んで不溶性グルカンというネバネバした物質を出し、プラーク(歯垢)となって菌が繁殖し始めるのです。

 

その菌の代表的なものを「虫歯菌」と呼ばれますが、正式名称はストレプトコッカス・ミュータンス(ミュータンス菌)です。

 

その後、24時間〜48時間以内に酸を生成して歯のエナメル質が溶かされて虫歯となります。

補足:歯垢が固まって張り付いたものが歯石となります。

歯周病は立派な感染症

歯周病と次亜塩素酸水

歯周組織が健康ならば歯と歯茎の間には2mm程度空いていますが、その溝が深くなり4mmに達すると歯周病という感染症に罹患している。

 

歯周病になると、歯肉が腫れたり、食事や歯磨きの時に出血したり、歯に違和感や痛み、口臭の原因などが症状として現れます。

 

歯周病は感染症の一つであるという認識をまず持つべきです。

 

歯ブラシだけでは不十分なので、1年に2回程度は歯医者さんにてチェックをうけることをオススメします。

 

補足:実はピロリ菌感染者は、口の中でも見つかることもあります。

胃がんの原因はピロリ菌によるもの

歯周病から病気が引き起こされる?

歯周病となった歯と歯茎の間から流れ出す液体は歯周病菌の大好物で増殖する栄養源となるため、放置すると悪化が進みます。さらに、毛細血管から体内に侵入して血液に乗って全身に移動します。

 

その結果、血管内に炎症を起こしたり、プラークが詰まったりします。フィンランドで研究では、脳内動脈瘤破裂(のうないどうみゃくりゅうはれつ)を起こした患者の患部から歯周病菌や各種口腔内細菌が見つかったそうです。

 

その他に、心筋梗塞を起こした患者の冠静脈内に生じた決戦からも歯周病菌が検出されたり、歯周病菌による慢性的な炎症が続くと脳卒中、がん、急性心筋梗塞を起こしやすくなるとも報告されています。

 

日本臨床歯周病学会によると他にも様々な病気との関係性があることが研究結果としてでています。上記の、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞以外にも様々な悪影響を及ぼします。

 

糖尿病の悪化

糖尿病と歯周病は、お互いに悪影響を及ぼしあっています。また、歯周病菌の死骸の持つ内毒素は残り、血糖値を下げる役割のインスリンの働きを阻害します。

妊娠性歯肉炎

妊娠中の女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンの影響により妊娠中には歯肉炎になりやすくなります。

早産または低体重児の危険性

妊娠中の女性が歯周病になっている場合、低体重児および早産の危険性があり、歯周病に罹患していない人と比較すると、7倍ものリスクとなります。

誤嚥性肺炎

関節炎や糸球体腎炎

歯茎の炎症によって作り出された物質が血液に入り込むことで、関節炎や糸球体腎炎が発症することがあります。

 

引用日本臨床歯周病学会「歯周病が全身に及ぼす影響」

そのため、健康を維持するためにも普段から歯周病予防に努める必要があります。

呼吸の仕方で歯周病予防になる?

歯周病菌を次亜塩素酸で殺菌

普段あなたは、口で呼吸をしていますか?鼻で呼吸をしていますか?

 

就寝中に口呼吸していると口の中が乾燥してしまいます。只でさえ日中に比べて唾液の循環が悪くなっており、唾液に含まれる殺菌成分が口腔内に広がりません。

 

その結果、歯周病菌達が寝ている間にせっせとプラークを作ってしまいます。口呼吸している人は鼻呼吸で寝るように訓練することをオススメします。

歯周病菌に対する次亜塩素酸水の効果試験

東京医科歯科大学が行なった実験で、1.インプラント周辺炎と歯周病での細菌の違い2.歯周病菌に対する次亜塩素酸水の効果試験3.次亜塩素酸水が細胞に対する安全性について試験しました。

 

1の結果、インプラント周囲炎は通常の歯周病細菌だけでなく、より複雑で多様な細菌が存在していることが分かりました。特に、クロロフレクサス門やデフェリバクター科はインプラント炎部位にのみ存在しました。

 

補足:通常の歯周病とインプラント周囲炎にて差異が出る理由として表面の性状の差が関係している可能性がありますが、まだ解明されていません。

 

2の歯周病菌に対する次亜塩素酸水の効果試験は下記の通り行いました。

歯周病の原因菌のポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)とアグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス(Aggregatibacter actinomycetemcomitans)を24時間、培地で増殖させました。

 

次亜塩素酸水(pH7.5~8の有効塩素濃度600ppm、300ppm、150ppm)を10秒間作用させました。72時間後にてコロニーの数を計測して生菌数を算出しました。

 

補足:クロルヘキジン溶液と次亜塩素酸ナトリウム溶液も同様の濃度で同じ実験をおこない比較しました。

 

その結果、2種類の細菌に対してどの濃度でも有意に減少していることが分かりました。相対的に濃度が高いとより減少していました。

また、次亜塩素酸ナトリウムとクロルヘキジン溶液と同程度の濃度で同じ結果となりました。

 

3の細胞毒性試験については下記の通り行いました。

ヒト歯肉線維芽細胞とヒト単核細胞を培養して次亜塩素酸水pH7.5~8、600ppm、60ppm溶液を加えて細胞生存率を算出して細胞毒性についても検証しました。こちらは生理食塩水(対照区)と比較しました。

 

補足:こちらも同様にクロルヘキジン溶液と次亜塩素酸ナトリウム溶液でもどう濃度で実験をしました。

 

その結果、次亜塩素酸水のどちらの濃度でも、ヒト歯肉線維芽細胞で、生理食塩水と比較して生存細胞数に減少が見られました。一方、ヒト単核細胞では、60ppmでは生理食塩水と同じ結果となり影響はないことが分かりました。

 

その他の溶液では、ヒト歯肉線維芽細胞とヒト単核細胞どちらも生存細胞数の減少が見られました。

 

つまり、細胞に与える影響として次亜塩素酸水は他の溶液に比べてより低いと推察されます

しかし、次亜塩素酸水の有効塩素濃度の高めると歯周辺の細胞へ影響を与える可能性があることに留意する必要があります。

 

参考東京医科歯科大学「分子生物学的手法によるインプラント周囲炎関連バイオフィルムの総合的解析」

バイオフィルムと歯周病菌に対する次亜塩素酸水の除菌効果

バイオフィルムを形成する歯周病菌の一つであるエンテロコッカスフェカーリス(Enterococcus faecalis)を用いてバイオフィルムの除去効果と菌の除菌効果について実験しました。

その結果、次亜塩素酸水は、エンテロコッカスフェカーリス(Enterococcus faecalis)の形成するバイオフィルムに対する除菌効果が認められ、有効塩素濃度に相関しています。また、加熱することにより効果は増幅し、洗浄を繰り返すほどより効果的であることが分かりました。

 

参考:日歯内療誌「バイオフィルムに対する中性次亜塩素酸水の抗菌効果に関する基礎研究」

 

次亜塩素酸水(100ppm)では、ミュータンス菌、ソブリヌス菌、ストレプトコッカス・ゴルドニ、ラクトバチルス・カゼイに死滅が認められました。虫歯バイオフィルムへの浸透作用は濃度が高くなると浸透しやすくなりますが、次亜塩素酸水(600ppm)でも1回では除去はできませんでした。

 

引用:国際歯科研究学会「次亜塩素酸電解水の効果的な虫歯、バイオフィルムへの浸透作用」

重曹を添加した次亜塩素酸水におけるミュータンス菌の殺菌試験

重曹を添加した次亜塩素酸水を使ってストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)に対する殺菌効果とバイオフィルム除去効果について実験しました。

弱アルカリ性次亜塩素酸水(500ppm)、重曹(6%)を添加した次亜塩素酸水溶液(500ppm)、蒸留水(対照区として)を用いて比較を行いました。

その結果、20℃および 35℃の各温度において、ミュータンス菌の浮遊菌液に対して次亜塩素酸水と重曹を添加した次亜塩素酸水は5分作用させることで検出不可となりました。

 

バイオフィルムに対する除去効果は、蒸留水と重曹水では20℃と35℃においても小さかったですが、次亜塩素酸水と重曹を添加した次亜塩素酸水を作用させた方が有意に除去率が高くなりました。

補足:重曹を添加することで洗浄作用が高くなったと推察できます。

5分、15分、30分と作用時間が長いほど除去効果が高かったです。また、温度によっても変化し20℃よりも35℃の方が除去効果が高かったです。

 

つまり、口腔内常在菌に対する強力な殺菌効果とバイオフィルム除去効果が期待できることが示唆されました

次亜塩素酸水の口腔内組織への影響

次亜塩素酸水300ppm、150ppm、100ppmを用いてヒト上皮細胞株に対する影響を細胞生死判断により実験をおこないました。その結果、100ppm、150ppmはミネラルウォーターと同程度のであることが分かりました。

 

虫歯や歯周病予防として使用する際には、150ppm以下の有効塩素濃度で行うべきであると結論づけました。

 

参考:国際歯科研究学会「電解水に含まれる有効塩素の上皮細胞(KB-cells)増殖に及ぼす影響」

次亜塩素酸水を歯周病予防として使うには薬事法と安全性の検証

歯医者さんでも次亜塩素酸水を歯周病の治療や予防として使われています。

 

一方で、日本歯周病学会は、次亜塩素酸水について「安全性や有効性について学術的な場で充分な討議が行われた後に、臨床に応用されるべきであると考える。」と言っています。

 

現在、医薬品や医薬部外品として次亜塩素酸水を登録していない場合、「雑貨」と判断されます。そのため、雑貨の商品を口腔内に使用することを謳っているものは薬事法に関わってきます。

 

もちろん、医師の判断、使用者の判断により使用される場合には自己責任の範疇となることを留意する必要があります。

 

以上、歯周病菌は怖い!予防策となる次亜塩素酸水の効果に関する研究内容についてご紹介しました。