結論からお伝えします:麻疹(はしか)は現在も流行中!迅速な対応とワクチン接種が子どもを守ります!!
子どもたちが集まる幼稚園や保育園において、切っても切り離せないのが感染症の悩みです。子どもたちはまだ抵抗力が低く、集団で生活しているため、ひとたび感染者が出るとあっという間に広がり、集団感染につながってしまいます。
麻疹(はしか)は過去の病気と思われがちですが、決して油断はできません。実は現在(2026年3月時点)においても、日本国内で麻疹の感染報告が相次いでおり、厚生労働省からも注意喚起が出されるなど、感染の再拡大が懸念されています。 麻疹は非常に感染力が強いため、日々の正しい知識と、いざという時の迅速な初動対応が、子どもたちの命と健康を守る鍵となります。
今回は、幼稚園・保育園の現場で麻疹が発生した際、どのように対処すべきか、そして大切な子どもたちを守るための予防のポイントについて、詳しくお話ししたいと思います。
保護者の方から「麻疹に感染した」と連絡があった際の対応

「大人は子どもの頃に予防接種をしているから大丈夫」と思われるかもしれませんが、時間とともに抗体(免疫)が低下している場合、大人でも麻疹に感染することがあります。保護者の方はお迎えなどで園を訪れるため、感染中や、症状が出る前の「潜伏期間」に園内に入っている可能性が考えられます。
大人の場合、体に少しでも抗体が残っていれば激しい症状は出にくい傾向にあります。しかし、発症している以上、ウイルスを排出しているため、園内で子どもたちに感染が広がるリスクは十分にあります。
まずは、その保護者の方が園内のどこまで入ったか、他の方や子どもたちと接触したか、そしてご自身のお子さんに症状が出ていないかを早急に確認することが大切です。
麻疹の代表的なサインとして「コプリック斑(はん)」というものがあります。
これは、口の中(奥歯のすぐ横の粘膜)にできる、白い小さなぶつぶつのことです。発熱などの初期症状に続いてこのコプリック斑が見られる場合は、ほぼ間違いなく麻疹に感染していると言われています。
もし園内でお子さんの麻疹が発覚、あるいは強く疑われる場合は、以下の手順で迅速に対応します。
①直ちに隔離する: すぐにそのお子さんを別室に案内し、他の子どもたちとの接触を絶ちます。応対する先生も複数ではなく、できるだけ少人数に絞ることで二次感染を防ぎます。
②徹底的な空間・物品の除菌: 麻疹ウイルスが付着している可能性がある場所(おもちゃ、手すり、ドアノブなど)や空間に対して、次亜塩素酸水を使用して徹底的に除菌してください。

ここで使用するのは、空間噴霧や物の清掃にも使いやすいキエルキンの成分の「次亜塩素酸水」です。漂白剤の成分である「次亜塩素酸ナトリウム」とは異なりますので、お間違えのないようご注意ください。
③保健所への連絡と登園停止措置: 速やかに地域の保健所に状況を報告し、指示を仰ぎましょう。麻疹は「空気感染」をするため、同じ空間にいるだけでも感染する恐れがあり、防ぐことが非常に難しい病気です。発熱があるお子さんには至急登園停止の措置をとり、人との接触を極力下げるよう保護者の方にお願いしてください。
基本的に麻疹は2度感染しないと言われますが、例外はありますか?
麻疹や、おたふく風邪、水疱瘡(みずぼうそう)、風疹などは、一度自然に感染して発症すると、強力な免疫ができるため「2度感染することはない」と一般的に言われています。しかし、これには例外が存在します。

赤ちゃんは、お腹の中にいる間に胎盤を通じて、お母さんから病気に対する免疫(抗体)を受け取って生まれてきます。この母親からの抗体は、生後6ヶ月頃まで赤ちゃんの体を守ってくれます。
(※以前は「母乳から免疫をもらう」という認識も広まっていましたが、麻疹に対する主な抗体は、お腹の中にいる時に胎盤から移行したものです。)
この「母親からの抗体がまだ少し残っている生後6ヶ月頃」に麻疹のウイルスに感染すると、抗体のおかげで症状自体は軽く済むことが多いです。
しかしその反面、自分自身の体で強い抗体を作ることができず、免疫が不十分なままになってしまうことがあります。
その結果、成長するにつれて免疫力がさらに低下し、大きくなってから稀に「2度目の麻疹」にかかってしまう事例があるのです。
子どもたちを守るために!予防接種の重要性
麻疹を防ぐ最も確実で安全な手段は、予防接種です。現在日本では、麻疹(はしか)と風疹(ふうしん)を合わせた「MRワクチン」を接種するのが一般的です。
本来、MRワクチンは「1歳児」と「小学校就学前の1年間」の合計2回接種することが強く推奨されています。1回の接種だけでは、外部からウイルスが侵入してこないと徐々に抗体が低下してしまうことがあるため、2回接種して免疫を確実なものにすることが非常に重要です。
風しんについても合わせて下記をチェックしてみてください!
予防接種の副反応(発熱や発疹など)を心配される保護者の方もいらっしゃるかと思います。確かに、副反応が起こる可能性はゼロではありません。
しかし、予防接種を受けずに自然に麻疹に感染してしまった場合、肺炎や脳炎といった重い合併症を引き起こしたり、最悪の場合は命に関わる危険性もあります。そのため、大切なお子さんの身を守る手段として、予防接種は強く推奨されています。
もし予防接種のあとに発熱や発疹などの症状が出た場合は、まずかかりつけの医師にご相談ください。
ワクチンによる反応の可能性もありますが、それとは別に自然の麻疹ウイルスに感染していたり、別の感染症にかかっている可能性も考えられるため、自己判断せず医師の診察を受けることが大切です。
幼保園の先生方へ:ご自身の身を守るための「抗体検査」のおすすめ

医療従事者や、幼稚園・保育園の先生たちは、日々多くの子どもたちや保護者の方と接するため、麻疹の感染リスクが一般の方よりも高くなります。そのため、ご自身に十分な抗体があるかどうか、一度抗体検査を受けることを強くおすすめします。
検査は手軽に受けられます: 検査自体の費用は数千円程度で済みます。また、お住まいの自治体によっては費用の助成があり、無料で受けられる場合もあります。ぜひ、地域の保健所や自治体のホームページを確認してみてください。
大人になってからの感染は重症化しやすい: 大人が麻疹に感染すると、脳症や髄膜炎などの重篤な合併症を引き起こしやすくなります。
園全体を守るために: 万が一、先生が感染源となってしまった場合、園全体の運営に関わる大きな責任問題に発展しかねません。
ご自身の健康はもちろん、子どもたちに安全な環境を提供するためにも、抗体検査と必要に応じたワクチンの追加接種をご検討ください。
まとめ
今回は、感染力が非常に強く、現在でも警戒が必要な麻疹(はしか)について、現場での対処法や予防の重要性を詳しく解説しました。
・麻疹は現在も流行のリスクがあること
・感染が疑われる場合は「隔離・次亜塩素酸水溶液での徹底除菌・保健所への連絡」を迅速に行うこと
・子どもたちを守るために、MRワクチンの2回接種が非常に重要であること
・先生方ご自身も、抗体検査で免疫を確認しておくこと
日々の体調管理と正しい知識の共有が、集団感染を防ぐ最大の防御となります。保護者の方々と園が協力し合い、子どもたちの健やかな毎日を守っていきましょう。
以上、幼稚園・保育園での麻疹(はしか)対策!集団感染を防ぐ現場の対応と予防のポイントについてお話をしました。
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