某大手食品会社様で空間の落下菌に対する空間除菌の実験を行いました。落下菌に対して空間噴霧の十分な効果を実感して頂きました。
そこで、実験の時に比較された他の次亜塩素酸水(商品B)とキエルキンが行われ、同じ次亜塩素酸を使った除菌剤ですが、どのような違いがあるかご紹介いたします。
※商品名は伏せて、商品Bと致します。
こちらの記事では、食品添加物と謳っている次亜塩素酸水とキエルキンを比較してお伝えいたします。
キエルキンと食品添加物と謳っている次亜塩素酸水の比較
キエルキン(次亜塩素酸水)と商品B(食品添加物と謳っている次亜塩素酸水※次亜塩素酸ナトリウム調整剤)について項目を下記の表に比較しました。
キエルキン 商品B (次亜塩素酸ナトリウム調整剤) 比較 | ![]() | ![]() |
名前 | キエルキン(次亜塩素酸水) | 商品B(次亜塩素酸ナトリウム調整剤) |
食品添加物(殺菌料) | 〇 ※食品工場内で生成した場合 | × ※食品添加物同士を組み合わせても |
使用後に残留塩の有無 | なし | あり |
濃度 | 200ppm | 1,000ppm |
安全性 | お水に戻り安全性高い | 安全性比較的は高い ※使用上の注意を順守する限り |
商品Bは食品添加物の次亜塩素酸水と言われていましたが内容を確認すると、次亜塩素酸ナトリウム調整剤でした。基準を満たして正しい条件であれば食品添加物として次亜塩素酸ナトリウムも使用することができますが、調整剤であれば食品添加物とは言えません。
大手食品会社での落下菌試験について
某王手食品会社の社員食堂にてキエルキンを空間噴霧し、一般生菌と真菌の落下菌数の変化について調べました。結果、落下菌は一般生菌数、真菌数ともに減少したという結果を得ました。

商品Bについても同様に実験を行われキエルキンの方が優位な結果を得ることができました!
下記に行った試験の概要と結果を載せます。

食品添加物仕様に沿って次亜塩素酸ナトリウムのみを薄めたものであれば、食品添加物製剤になります。
しかし、商品Bは次亜塩素酸ナトリウムとpH調整剤のリン酸2水素カリウム(酸性)をあらかじめ混和した次亜塩素酸水溶液です。
つまり、食品添加物製剤として酸をあらかじめ混和しているものは食品添加物製剤ではありません。
また、厚生労働省によると、食品工場内で次亜塩素酸ナトリウムと混和する酸は塩酸またはクエン酸等とあり、そのほかの物質は保健所に確認して使用する必要があります。
※保健所のクリアがない限り食品工場内であっても食品添加物製剤になり得ません。
商品Bの化学反応式
NaOCL+KH₂PO₄→HOCL+Na⁺+Cl⁻+K⁺+H⁺+PO₄²⁻
こちらの商品を調べていくと疑惑の部分とデメリットに関して下記にまとめておきます。
① 殺菌試験結果(大腸菌)の試験結果で従来の次亜塩素酸水200ppmで殺菌できていないが、厚生労働省のデータと異なっていました。(厚生労働省の試験結果40ppmと57ppmどちらとも比較)
② 内容は次亜塩素酸水溶液であるにも関わらず、次亜塩素酸ナトリウムの食品添加物製剤と記載していました。
③ 上記の化学反応式をみると商品Bでは乾燥した際に塩になって残留物ができてしまうこと
④ 商品Bは、1000ppmという高濃度の場合自分自身が反応してしまい、濃度が急激に低下してしまいやすいこと

キエルキンは、残留物が残らずお水に戻ります。
参考資料一覧
キエルキンを工場内で生成して使用するのであれば、厚生労働省に認められた次亜塩素酸水として活用できます。
しかし、あらかじめ次亜塩素酸ナトリウムに酸を混和したものは食品添加物製剤ではないため、普段使用されているキエルキンは食品添加物ではありません。その点はご注意ください。
キエルキンの化学式 HOCL→CL₊+OH-
生食用鮮魚介類、生食用かき及び冷凍食品の加工基準において次亜塩素酸水及び、次亜塩素酸ナトリウム並びに水素イオン濃度調整剤として用いれれる塩酸に加えpH調整剤として用いれられる二酸化炭素の使用を認めることとした。
引用:生食発0608第4号(平成28年6月8日)食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について 厚生労働商医薬・生活衛生局生活衛生
厚生労働省医薬・生活衛生局による次亜塩素酸に関する質問の回答
当社にて、次亜塩素酸(水)に関する質問を直接管轄の厚生労働省に確認を取りました。質問の前提は上記の厚生労働省ホームページの参考資料についてです。
次亜塩素酸ナトリウムに酸を混和して使用することの内容の(厚生労働省医薬食品局、食品安全部基準審査)1.に次亜塩素酸ナトリウムに食品添加物である塩酸またはクエン酸等を販売、および混合して使用することは差支えない。また、あらかじめ混和した水溶液では食品添加物にはならない。
引用:食安基発第00825001号(平成16年8月25日)
食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件についての(厚生労働商医薬・生活衛生局生活衛生)改正概要(1)に、次亜塩素酸水および次亜塩素酸ナトリウム並びに水素イオン濃度調整剤として用いられる塩酸に加え、pH調整剤として用いられる二酸化炭素の使用を認める。
引用:生食発0608第4号(平成28年6月8日)
以下厚生労働省に質問した内容と回答です。
- 1.平成28年に厚生労働省から発表されたものは前号の内要改正という認識ですか?
- 1.内容の改正ではなく、別の内容となっており、平成16年の記述と平成28年どちらも有効です。平成28年では、使用用途に対して、より詳細に使用できる物質を限定しました。次亜塩素酸ナトリウムと混和する食品添加物の塩酸またはクエン酸は問題ないが、その他の物質の使用はおのおの保健所での確認が必要です。
- 2.平成28年の発表では、次亜塩素酸ナトリウムに加えるものは塩酸と二酸化炭素以外は食品添加物にはならないということですか?
- 2.生食用鮮魚介類、生食用カキ、冷凍食品の加工基準の場合は、記載の通りpH調整剤の塩酸と二酸化炭素以外は使用できません。その他のものでは食品添加物製剤にはならない。
- 3.平成16年に発表した次亜塩素酸ナトリウムにあらかじめ酸を混和したものの使用については食品添加物製剤でしょうか?
- 3.あらかじめ酸を混和したものは食品添加物製剤ではありません。但し、使用前に混和する場合は食品添加物製剤となります。
まとめ
まとめを箇条書きで記します。
・食品添加物で生成しているがキエルキンは食品添加物製剤ではないこと
・商品Bよりもキエルキンの方が効果が高かったこと
・キエルキンは残留物がないこと
・但し、食品製造内でキエルキンを生成した場合は食品添加物製剤になること(殺菌料として使用出来て、最終食品の完成前に分解し,又は除去しなければならない)
・生食用鮮魚介類、生食用カキ、冷凍食品の加工の場合には、次亜塩素酸ナトリウムにpH調整剤の塩酸と二酸化炭素以外は使用不可なこと
以上、某王手食品会社で共同試験!キエルキンと食品添加物と謳っている次亜塩素酸水の除菌剤を比較についてご紹介しました!
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