次亜塩素酸水でにおい対策!消臭の効果が分かる研究について

次亜塩素酸水の消臭の効果は?

良いにおい、悪いにおいなど人間の嗅覚で嗅ぎ分けることができる「におい」は、数十万種類と言われています。嗅覚は人だけでなく動物にとって生命を左右する重要な役割を持っています。

悪臭は人の嗅覚を刺激して、不快感を与える感覚公害の一つと言われます。

誰でも食べ物を無意識ににおったことがあると思います。その食べ物は、食べることができるか?(腐っていないか)、どのような味がするか?など判断する材料になりますね。

においが不快だとそれを避けようとする防衛本能が働きます。だから、不快なにおいに対して消臭することで周りの環境が改善されることで過ごしやすくなると思います。それは、動物にとっても同様で、健康問題が懸念されます。

消臭といってもにおいを上から被せるマスキングという方法による消臭でなく、元から消臭する事が大切です。

次亜塩素酸水は除菌やウイルス除去だけでなく、高い消臭効果がありトイレやペットのそそうなどの消臭として使用されています。

そこで、今回は、次亜塩素酸水を使った消臭実験についてまとめてご紹介したいと思います。

事前に次亜塩素酸水を空間噴霧に関する殺菌試験や安全性について知りたいかたはこちらを参考にしてください。

https://ex-clothes.com/hypochlorous-acid-humidifier

排泄物のにおいに対する次亜塩素酸水の空間噴霧実験

排泄物に含まれる特定悪臭物質のメチルメルカプタンを対象に次亜塩素酸水を噴霧した場合どれほどにおいが軽減できるか調べるために実験を行いました。

メチルメルカプタン濃度(5ppb)を蒸留水、次亜塩素酸水50ppm、換気の3つで比較しました。

補足:1ppb(Parts-Per-Billion)10億分の1、1ppm(Parts-Per-Million)100万分の1

言語評定尺度を用いて、主観評価した結果、蒸留水と換気では有意差異はありませんでしたが、次亜塩素酸水の噴霧は腐敗臭を軽減して、不快感を和らげる効果がありました。

しかし、噴霧が多い場合は次亜塩素酸水のプールのようなにおいが強くなりました。

参考:次亜塩素酸水の噴霧による悪臭物質の消・脱臭効果に関する研究〜主観評価による臭気強度・不快度の低減効果の把握〜

アンモニアのにおいに対する次亜塩素酸水の空間噴霧実験

アンモニア 次亜塩素酸水

アンモニアは22種類あるにおいにより生活環境を損なうおそれのある物質特定悪臭物質として指定されている物質の1つです。

実験の内容は、10ℓポリプロピレン容器に気体のアンモニアを入れ次亜塩素酸水(pH6〜6.5)50、100、200ppmと水道水を超音波加湿器にて噴霧し(0.6〜0.8ml)1時間の経過を確認しました。

結果として、アンモニアの濃度は30ppmから18ppmに低下しましが、次亜塩素酸水50ppmでは9ppmに、100ppm→9ppm、200ppm→7ppmに減少しました。

また、マウス、モルモット、ウサギなどの動物実験施設で問題となる糞尿によるアンモニアに対する消臭実験も行いました。次亜塩素酸水(pH6.1)50ppmと水道水を3分間噴霧、3分間止まるのを繰り返す間欠運転にて消臭効果の経過を確認しました。

その結果として、以下のことがわかりました。

マウスの排泄物が付いたマットから発生したアンモニアは密閉空間に28ppmは濃度があり、そのまま2時間静置すると58ppmまで上昇しました。

  • マットを静置したままの場合

水道水28ppm→34ppm

次亜塩素酸水28ppm→13ppm

  • マットを取り除いた場合

水道水28ppm→8ppm

次亜塩素酸水28ppm→2ppm

アンモニアの濃度によるにおいの感じ方

40ppm程度→痛烈なにおい

10ppm程度→強いにおい

2ppm程度→楽に感じることができるにおい

0.6ppm程度→何のにおいかわかる弱いにおい       

0.1ppm程度→やっと感知できるにおい

結論として、次亜塩素酸水溶液の濃度が高くなればなるほどアンモニアの臭気が軽減することが分かりました。日本建築学会によると動物実験試験でのアンモニア濃度の基準値は20ppm以下にするとあります。

次亜塩素酸水を噴霧することによってアンモニア濃度を抑制と消臭することができこうかがありました。

参考:弱酸性次亜塩素酸水溶液のアンモニアに対する消臭効果

医療機関でのにおいを消臭に関する試験結果

病院でのにおいの原因となるのは、排泄物の汚物や体臭です。現状、換気や空気清浄機、消臭剤を使用していますが、新たに次亜塩素酸水+超音波加湿器を利用してにおい対策をする実験をおこなわれました。

補足:ウェーバー・フェヒナーの法則によると、人の嗅覚は刺激量の対数に比例してにおいの物質の濃度を99%除いても3分の1ほどの強さになったと感じることに留意する必要があります。においは単体でなく複合臭で、同じ濃度でも物質によってにおいの強さが異なります。また、人によってにおいの強度も変化します。

実験の対象のにおいは特定悪臭物質である硫化水素(H2S)、メチルメルカプタン(CH3SH)、アンモニア(NH3)です。

次亜塩素酸水(pH6)の濃度は50ppm、100ppm、200ppmの3種類とそれと比較するための水道水と処理なしの対象区で消臭試験を行いました。

10ℓポリプロピレン容器に対象のにおいを入れ、その後0.5~0.7ml超音波加湿器にて噴霧した後ににおいの有無を確認します。

同様に、27.7㎥の部屋に机の上に対象のにおいが入った容器を初めの5分間置き、同時に10分間超音波加湿器を噴霧(67ml)します。

そして、5分、10分、20分に臭気が発生している上で空気を回収して対象のにおいの有無を確認する実験を行いました。

その結果、対象区、水道水に比べ臭気の強さと快不快度は次亜塩素酸水の濃度が高くなるにつれて対象の臭気の軽減(快不快度は改善)をしました

部屋内での実験では、10分後よりも20分後の方が臭気の軽減がみられました。その理由として残ったにおいと反応しきれていない次亜塩素酸水が反応したからと推測します。

しかし、対象のにおいが次亜塩素酸水のにおい(プールのにおい)に代わったため機械での臭気指数測定では数値に大きく変化はありませんでした。(多少は軽減)

参考:医療施設における臭気制御に関する研究〜弱酸性次亜塩素酸水溶液の汚物臭に対する性能試験〜

病院で次亜塩素酸水溶液を空間噴霧による消臭効果

医師会病院との共同研究で「高度治療室内で次亜塩素酸水溶液を空間噴霧し、菌がどれくらい除菌できるか」実験しました。

結果として、人の出入りする環境で1時間当たり約3割の菌を除菌することができました。その内容は外科感染症学会にて全国の先生に発表いたしました

https://ex-clothes.com/kierukin-onga-hospital-research

実験が終了した後に看護師さんから菌対策もしかることながら消臭効果を実感されて、「快適に仕事ができる」とのことで今も継続して使用頂いています。

結論として、病院内でのいくつかの実験結果により、次亜塩素酸水+超音波加湿器で現場の環境改善することができると考えます

以上、次亜塩素酸水でにおい対策!消臭の効果が分かる研究についてご紹介しました!