特定農薬としても次亜塩素酸水を認定!農業でも菌・ウイルス対策として活用

次亜塩素酸水が特定農薬に

次亜塩素酸水が特定農薬となる前から次亜塩素酸水に忌避作用があることが実験で分かっておりその安全性や効果に関して農業分野でも研究されています。

 

そこで、今回は特定農薬になった次亜塩素酸水についてご紹介したいと思います。

 

2002年、ある業者が無登録農薬を海外から輸入し、それを販売していたことが問題となり、農薬取締法等違反で捕まりました。また、その無登録の農薬と知りながら一部の消費者、つまり農家が使用していました。日本の食料生産に関わる事項であり、国産農産物への懸念が広がり、農作物の出荷自粛など引き起こしました。

 

このような背景があり是正するべく同年に改正農薬取締法が制定されました。改正された農薬取締法では、無登録農薬が輸入されないようにサーベランスを一層強くすること、無登録農薬の使用を全面的に取り締まること、使用した際の罰則をより厳格にするなどが盛り込まれました。

 

一方で、農作物を守るために使う薬剤や天敵など安全性が明確であるものはか過剰規制を避けるために、特定農薬(特定防除資材)として別途区別されることになりました。

改正農薬取締法における農薬と特定農薬の違い

改正農薬取締法の農薬の定義は以下と定義されています。

第1条の2 この法律において農薬とは(農作物樹木及び農林産物を含む以下「農作物等」という。)を害する菌、線虫、ダニ、昆虫、ねずみその他の動植物又はウイルス(以下「病害虫」と総称する)の防除に用いられる殺菌剤、殺虫剤その他の薬剤(その薬剤を原料又は材料として使用した資材で当該防除に用いられるもののうち政令で定めるものを含む)及び農作物等の生理機能の増進又は抑制に用いられる成長促進剤、発芽抑制剤その他の薬剤をいう。

2 前項の防除のために利用される天敵は、この法律の適用については、これを農薬とみなす。

第2条 製造者又は輸入者は、農薬について、農林水産大臣の登録を受けなければ、これを製造し若しくは加工し、又は輸入してはならない。ただし、その原材料に照らし農作物等、人畜及び水産動植物に害を及ぼすおそれがないことが明らかなものとして農林水産大臣及び環境大臣が指定する農薬(以下「特定農薬」という)を製造し若しくは加工し、又は輸入する場合、第15条の2第1項の登録に係る農薬で同条第6項において準用する第7条の規定による表示のあるものを輸入する場合、その他農林水産省令・環境省令で定める場合は、この限りでない。

つまり、農薬とは、使用方法を誤ると生態に影響を与えてしまう薬剤や天敵で、登録制度によって審査され、基準を守り使わなければいけません

いちごの特定農薬として次亜塩素酸水

また、特定農薬とは関係省庁で効果と安全性の評価を受けて問題なしと認められたものです。

 

参考:農林水産省「特定農薬(特定防除資材)として指定された資材(天敵を除く。)の留意事項について」

特定農薬(特定防除資材)としての次亜塩素酸水の定義とは?

次亜塩素酸水を特定農薬として使用する場合には、pH6.5以下、有効塩素10~60mg/kg(10~60ppm)で使います。また、次亜塩素酸水の製法としては2種類の材料で電気分解する方法のみ使用を認めています。

 

・塩酸(HCL)を無隔膜電解槽で電気分解して水で希釈して調整した製法

・塩化カリウム水溶液(KCL)を有隔膜電解槽にて電気分解して陽極側から取得できる製法

現在の厚生労働省にて食品添加物製剤の次亜塩素酸水の定義はこちらからどうぞ!

 

注意:次亜塩素酸水の有効塩素は時間の経過とともに減少するため使用の度に製造し、速やかに使用しなければいけません。また、有隔膜電解槽を用いて次亜塩素酸水を生成する際に発生する陰極側の排水は適切に処理する必要があります。

 

参考:愛知県庁「特定農薬(特定防除資材)とは」

環境省・農林水産省の次亜塩素酸水に関する安全性や効果に関する見解

次亜塩素酸水について、様々な実証実験の結果を元に食品健康影響評価を実施した結果、特定農薬として認定を行いました。

次亜塩素酸水(pH 2.43~2.58)での刺激性試験では口腔、食道及び胃の粘膜組織並びに舌に刺激性が認められました。他方、次亜塩素酸水(pH 5.67~6.3)での刺激性試験では、刺激性(毒性)がありませんでした

当初、次亜塩素酸水を特定農薬にするにあたって挙げられた事項については下記となっています。

・臭素酸の濃度→原材料が臭素酸濃度の低いものを使っているのであれば問題なし

・次亜塩素酸水を長期的に使用することによりハウスの腐食について→10年以上のハウスを比較したが有意差は確認できませんでした。

・ダイオキシン類の生成の可能性について→次亜塩素酸水がダイオキシン類発生に寄与していない

参考:環境省「電解次亜塩素酸水の論点整理」

また、次亜塩素酸水の残留に関する実験で、散布した場合と浸漬した場合どちらも短時間で失活し、検出しないという結果でした。(ほとんど検出なし)これらのデータから推察するに、次亜塩素酸水を農薬として使用した場合に、食品へ残留して体内に摂取される可能性は極めて低いという結論でした。

 

従って、次亜塩素酸水は特定農薬として使用される限りには人の健康に悪影響を及ぼす恐れはないと考えられています。

 

参考:中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会(第36回) 資料

同様に、水産動植物への影響試験として、魚類急性毒性試験、ミジンコ類急性毒性試験、急性遊泳阻害試験、藻類生長阻害試験において影響は非常に低いことも分かりました。

 

次亜塩素酸水の使用用途として、種子は消毒として次亜塩素酸水の中に浸漬したり、栽培中の病気予防として噴霧器を利用して表面に散布をし、有効に病気の抑制ができていることが確認できました。

 

また、比較した無農薬区画に比べて病気を抑制していること、収量にも問題なくむしろ収量が増加していることから薬害への影響はないこともメリットとして大きいです。キュウリのうどんこ病対策、イチゴの灰色かび病対策、大葉などのさび病対策等として活用できると考えられています。

参考:次亜塩素酸水の薬効・安全性に関する情報収集の結果について

次亜塩素酸水を使用した減農薬・有機農業

農業において作物の病気を引き起こす菌やウイルスが問題となっています。例えば、有機農業では農薬を使用しないことで、病害虫の影響を受けやすく収量が減ることや慣行農業では、農薬の使用によりコストがかさむことが挙げられます。

トマトに次亜塩素酸水

しかし、先端農業連携創造機構によると、食品工場の微生物を減菌するために洗浄で使われている次亜塩素酸水を施設園芸(イチゴ、トマト等)にて散布することで減農薬栽培ができさらに、農薬費等を含めた生産コストを削減することが実証しました。

参考:農業界と経済界の連携による先端モデル農業確立実証事業

そのため、無農薬や有機農業をしている農家さんも特定農薬として使用できる次亜塩素酸水でも普通の農薬とは異なり有機認定することができます。また、次亜塩素酸水が普及することで下記のメリットがあります。

・日本国内での農薬使用量を減らすことができる

・農家さんの健康被害を軽減させることができる

・水やり感覚で簡単に散布できるため農作業効率が上がる

・取り扱いが簡単なため手袋やゴーグルなどが不必要

・各々の作物で農薬を使い分ける必要がないetc…

 

今後は、各々の農作物にあった散布の方法を確立し、検証していけるようにしてほしいですね。以上、特定農薬としても次亜塩素酸水を認定!農業でも菌・ウイルス対策として活用についてご紹介しました。